長野県立科町へ 旅する移住

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一人多役インタビュー

キャンプ場管理人×ハンター×ホテルマン

お話を聞いた人
工藤 健市さん

工藤 健市(くどう けんいち)

50代/岡山県出身

アミューズメント施設にて店舗管理責任者として10年勤務し、その後石川の工場で工場長を務めていた頃、一人のバックパッカーとの運命的な出会いを機に会社員生活を辞めた工藤さん。それからは旅をしながら働くというライフスタイルを続け、今につながっています。
現在はキャンプ場の管理人を始め、ジビエの狩猟やホテルマンの仕事をかけ持ちする忙しい毎日。キャンプ場「takibi hut」ではホスピタリティ溢れる工藤さんのファンも多く、徐々にやりたかった夢に近づいている実感があるとのこと。そんな工藤さんにお話をお聞きしました。

会社員生活を辞め、バックパッカーをしながら働く中で得た夢

ここへ移住することになった経緯を教えてください

「工場長として勤務していた頃、先が見えたというか、死ぬまでここなんだなと思いました。その時に『もっと外の世界を見てみたい、歩いて旅をしてみたい!でもどうやって?』と思っていたところ、たまたま屋久島から北海道に歩いて向かうバックパッカーと出会い、家に招き入れて色々な話をしてバッグの中身まで全部見せてもらいました。その翌日に辞表を出しました(笑)

彼から刺激をもらい、私も実家の岡山から熊本へ、そして勤務地だった石川から北海道の稚内へ、歩いて旅をしました。お金が無くなったらリゾートバイトで働くという生活でしたが、新潟六日市のユースホステルでの仕事は楽しかったです。泊まった人同士が意気投合して何かやろう!というアットホームな雰囲気がとてもおもしろかった。この経験が、「人と近い仕事がしたい」という現在の私の夢の原点です。

事情があってそのユースホステルはなくなってしまったので次の働き先を探していたところ、縁あって今勤務している池の平ホテルグループの白樺高原ホテルに辿り着きました。長野県自体が初めての地でしたが、夏は涼しく、空気がカラッとして景色もきれい。信号もないし冬の雪も軽い。気づけばここで12年過ごしています。生まれ育った岡山や勤務地だった北陸に比べてとても過ごしやすく、快適に暮らしています。」

とりあえず何でもやってみよう

現在はキャンプ場の管理人さんとハンター、そしてホテルマンとしてご活躍されていますが、一人多役のきっかけを教えてください

「昔から仕事を選ばず色々経験しています。気づいたら何でもやっていて、仕事をかけ持ちするのが普通だと思っています。店舗管理責任者の頃も、人事管理から機械修理、売上対策など何でも自分でやらなければならない環境にいました。もともと好奇心が強く、『ダメなら辞めればいいんだから、とりあえず何でもやってみよう』という思いもありますね。

ホテル勤務がメインだった頃、よく呑みに通っていた居酒屋でたまたまハンターを募集していました。そこは一階が居酒屋になっているB&Bスタイルの宿だったのですが、ここで働けばハンターをしながらお金がもらえて、ホテル以上にお客様に近い場所で仕事ができると思ったので、まずはホテルの仕事を週1~2日に減らしてスタートしました。
 
ハンターの経験はなかったのですが、やはり好奇心があったことと、もともとアウトドアや歩き旅でテントを張ってサバイバル感を味わうのが好きでした。昔やったゲームの影響も大きく、森を切り開いて動物を倒して肉を食うという生活もおもしろそうだと思っていました。そこで狩猟免許を取得したのですが、実際狩猟、解体となるとやはり重いし臭かったりもするし、最初はご飯も食べられないくらい大変でした。ボタン一つで動物を倒せるゲームとは違いますよね(笑)でも最近は良いお肉が取れたなと自分でも成長できている実感があります。」

キャンプ場「takibi hut」とはどのように出会ったのですか?

「ハンターを始めてから一年後、その宿が二軒目の店舗を出すことになりました。それが今のキャンプ場「takibi hut」です。ハンターの仕事は見回りには毎日行きますが、解体作業は捕獲時のみなので両立は難しくなく、喜んで管理人を引き受けさせていただきました。takibi hutでは、私が焚き火スペースで火を起こしているとご家族やグループのお客様が集まってきてくれます。焚き火を囲んでの接客はB&B以上にお客様との距離が近づくので、とても充実感がありおもしろいです。

仕事のかけ持ちは疲れることもありますが、やはり自然に囲まれた環境で暮らしているというのは大きいと思います。四季の移り変わりを肌で感じられて、癒されています。」

田舎では味わえない都会の良さ

休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

「二ヶ月に一度くらいの頻度で東京に行きます。昔からサブカルチャーが大好きで、中野ブロードウェイや秋葉原、上野のアメ横は必ず行きます。だいたい二ヶ月くらいで店のおもちゃが変わるんですよ(笑)アメ横では赤ちょうちん巡りをするのですが、立ち飲みの雑踏感が好きですね。人との距離感が近く、田舎にはない、都会でないと味わえない雰囲気があります。都会は都会、田舎は田舎にしかない良さがあって、両方を楽しんでいます。

つい最近、歩いて旅をするきっかけを作ってくれたバックパッカーの彼と東京で再会したんです。まさに12年ぶりでした。takibi hutがオープンする前日にも遊びに来てくれましたよ。
 
人とのご縁は大事にしていて、遊びに来てくれたお客さんが店をやっていたり、お互いに楽しかったと思える相手には迷惑にならないよう気をつけた上でこちらから会いに行ったりします。ぷらっと知らない場所に行くのも良いですが、やはり行った先で知っている人がいると安心できます。昔から、楽しいことは待っていても来ないからこちらから行こうと思っていますね。」

都会に住む感覚で田舎に住む

今後の夢や、読者へのメッセージをお願いします

「今は知り合いに紹介してもらった宿を購入して住んでいます。個室が5部屋、お風呂とキッチン、そして12畳の離れがあります。森に囲まれていてコンビニへ行くにも徒歩で一時間かかる場所なのですが、目の前に町内循環バスの乗り場があり利便性が高く、東京行きの高速バスの乗り場も徒歩圏内にあったりと、おもしろい場所です。気軽に都会とつながれて手軽に田舎体験ができるので、いずれは部屋貸しをしたり、シェアハウスとして使えるように整備できればと思っています。

 田舎での暮らしはお金がなくてもやりたいことが実現できると思います。都会に比べて家賃はもちろん、維持費もかかりません。歩き回れば山菜やキノコも採れます。車さえあればどこにでも行けます。反対に冬は厳しく、マイナス10度が二日続くと水道が凍る日もありますが、自然を肌で感じながらストレスのない生活ができると思います。

 移住というと敷居が高く感じますが、都会に住む感覚で田舎に住んでいるという感覚です。ここに住むメリットが都会よりあると思えば来れば良いと思います。このあたりはリゾート地ということもあって、皆さん寛容に受け入れてくれますよ。」